コラム 本物のシシャモを食べたことありますか?

北海道では10月~11月の1か月がシシャモの漁期です。夏のシシャモは「脂シシャモ」と呼ばれておいしくありません。オスの脂が抜けて、メスの卵が膨らんだ「子持ちシシャモ」になる秋から冬にかけてのシシャモが食べごろです。メス1匹が持つ卵の量は約8,000個にもなります。

しかし、普段スーパーで一般に出回っているものは、輸入されたカラフトシシャモです。英名はキャペリン(またはカぺリン)と言います。 主に北大西洋アイスランド、ノルウェー、ロシア、東カナダのニューファンドランド島沖合で漁獲されています。輸入量が年間3万トンであるのに対して、日本産(北海道産)の本当のシシャモはわずか1300トンと貴重な存在です。

北海道勇払郡むかわ町から釧路の北海道の太平洋岸沖でしか捕れない日本固有の貴重な回遊魚で晩秋になると川を遡上します。特に鵡川産のシシャモは高級品として取引されていますが、これまで河川遡上期の禁漁や人工ふ化などの活動により少しずつ資源は回復に向かっています。地元でも漁が行わている期間にしか食べられないシシャモの刺身や寿司は産地ならではの逸品です。刺身にはオスのシシャモで料理します。刺身にはあっさりとした口当たりでほのかな甘みがあります。

本物を食べるなら「ししゃもまつり」へ

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北海道むかわ(鵡川)町は、日高町と苫小牧市の間に位置する町です。毎年10月から11月にかけて、産卵期を迎えるししゃもが、むかわ町を目指し集まってくる時期だけ行われるししゃも漁。水揚げされたししゃもは一夜干しにされて、ほとんどが地元で消費されています。
むかわ町ではこの時期に「ししゃも祭り」が開催されます。この時期ならではの絶品限定メニュー「ししゃも寿司」が祭り会場でいただくことができます。ただし、早朝から行列ができること必至。鮮度が落ちるのがはやいシシャモ寿司だからその場でおいしさを味わうのが一番です。寿司以外にもシシャモ汁や焼きシシャモなどシシャモを存分に味わう祭りは行ってみる価値ありです。

(Imai Masahiro)